大腸CT(CTC)のまとめ。

  • 2021-08-14
  • CT
CT 大腸CT(CTC)のまとめ。

*随時、追記したいと思っています。いつも通り不完全な記事です。

前処置

ブラウン法

ブラウン変法

ブラウン法の改良されたもの。注腸検査の前処置によく用いられる。

ゴライテリー法

大腸内視鏡(CF)の前処置によく用いられる。

鎮痙剤

鎮痙剤は腸管の運動を抑制するために使われる薬剤です。CTC施行時に使用される施設もあれば、使用しない施設もあります。腸管の拡張には影響を与えないという報告と拡張が良好になるという報告がり、確立されたエビデンスは存在しません。撮像時の息止めがしっかりできていたとしても、腸管の動きによるモーションアーチファクトを抑えることができるが、鎮痙剤の副交感神経遮断作用による回盲弁が弛緩し、小腸へのガスの流出が多くなる可能性があります。小腸へのガスの流出が多いと腹部の膨満感(ぼうまんかん)が強くなり患者さんは不快に感じます。小腸ガスにより、スカウト像での大腸の拡張(特にS状結腸)の評価が難しくなったりもします。また、小腸ガスにより大腸が圧迫されて、拡張が不十分になるとも言われています。
■ブチルスコポラミン(ブスコパン:サノフィ)

【禁忌】

1)出血性大腸炎(腸管出血性大腸菌O157等や赤痢菌等の重篤な細菌性下では,症状悪化, 治療期間延長)

2)緑内障(眼内圧を高め悪化)

3)前立腺肥大による排尿障害(更に家を出にくくする)

4)重篤な心疾患(心拍数増加, 悪化)

5)麻痺性イレウス(消化管運動抑制し、悪化)

治療薬マニュアル 2021 

作用の発現時間は5~10分、作用持続時間は約40分とされています。(こちらより)
■グルカゴン

鎮痙作用はブチルスコポラミンに比べると弱い。

腸管拡張法

・CO自動注入器を使用する。
・COは空気よりも腸管壁への吸収が速いため、持続的な送気(腸管内圧を一定)が必要になる。
・COが多すぎると被験者の苦痛が増すが、注入量が少ないと画像解析を用いても詳細な観察ができない。注入ガス量は3Lまでを目安にする。

・良好な大腸拡張を見極めるために、直腸から回盲部の拡張が良好であることを確認する。特にS上結腸、回盲部の拡張が悪いことが多い。
・ハウストラの伸展性に注目。(ガスの注入量に依存しない)

・直腸は背中側にあるので、「腹臥位(prone)」で十分な拡張が得られやすい。「仰臥位(supine)」は拡張不良になりやすい。従って、ガスの注入を持続的に行う必要がある。

・拡張不良時には拡張不良が起きている部位を上にする。たとえば、上行結腸で拡張不良の場合、左側臥位にする。深呼吸させても、ガスが移動することがあるらしい。

注入方法

一般的に注入を開始してから5分~6分で検査は終了する。
①左側臥位でガス(約0.6L)を注入する。注入圧は○○

CTC 左側臥位の理由


→「左側臥位」にてガスを注入することで空気よりも重い二酸化炭素が重力に従って入りやすくなる(はず)。0.6Lほど注入すると「S-Dジャンクション(S上結腸と下行結腸の境界」で注入圧が一定になる。
②0.5L注入後は仰臥位にする。(お腹はだんだん張ってくる。)
③1.5L~2.0Lの間で撮像する。(1.5Lポジショニングしてスカウト)。1.5L注入後、ガスの注入圧がプラトー(水平状態)になる。一般的にそれは小腸にガスが抜けたと考える。休息注入から間欠的持続注入に切り替える。ガスの注入は腸管に吸収した分や、小腸に抜ける分を補う程度で十分(一分あたり約0.2L)。ガス注入器が「プロトCO2L」の場合、変動圧の1メモリ下の注入圧に設定すると良いらしい。
④次の撮影体位である「腹臥位」にすると(体位変換すると)圧が下がるため、注入圧を再度設定する必要がある。
また、腹臥位により腹部が圧排(あっぱい)により腸管(特に横行結腸)が虚脱しないように注意する。

mmHg(ミリメートルエイチジー:ミリメートル水銀柱)注入圧は20mmHgなので、血圧の1/5程度。全然イメージできないけど。

・被験者が腹痛を訴える場合、注入圧を下げる。
・スカウト像で拡張不良が見抜けず、撮影後に拡張不良部位を認めた場合、追加撮影を考える。

BMIによって注入圧が変わるのはなぜ?

一般的にBMIが大きい人は注入圧を高く設定する。逆にBMIが小さい人は注入圧を低く設定する。おそらく、BMIが高い人はお腹の厚みにより、大腸の拡張はBMIが小さい人に比べて大腸の拡張不良が起きやすい。そのため、注入圧は少し高めに設定すると考える。BMIが小さければ、注入圧を下げても拡張が良好であることが多く、小腸への流入を防ぐために、注入圧を少し下げていると考えています。


①「仰臥位」→「腹臥位」②「腹臥位」→「仰臥位」の短所、長所

・施設により順番は異なる。
・ガス注入器によっても推奨する順番が異なる。
①のメリット
「腹臥位」の時間が短くできる。高齢者にとっては腹臥位で長時間が保持することができない場合がある。①の方がが多くなり、腹部膨満感が強くなるかもしれないが、「腹臥位」の時間が短くできる。

②のメリット
「腹臥位」するとバウヒン弁が下を向き、小腸へのガスの流入が少なくなり、腹部膨満感を抑えることができる。

画像解析

仮想注腸画像(air image)

・注腸X線検査と同じような画像。粗大病変を確認する。病変の深達度診断が可能である。

仮想大腸展開画像(仮想病理展開画像)(VGP:Virtual Gross Pathology)

・粘膜のヒダが拡張している(拡張良好)と、結腸ヒモが直線に近く、平行に走行する。粘膜面の詳細の観察が可能。拡張不良だと粘膜面が重なって、観察ができない。
・内視鏡のように半月ひだの裏に病変が隠れいているなどの心配はなく、観察することができる。
・半月ヒダの伸展性が良好か?
・バウヒン弁の対側に病変の好発部位。必ず確認する。

バウヒン弁(回盲弁):小腸と大腸の境の弁。

仮想内視鏡画像(VE:vertual endoscopy)

・内視鏡では観察できない口側からの観察が可能。つまり、内視鏡では死角になりやすい、ひだ裏を観察できる。

VE+MPR(多断面再構成像:multiplanar reconstruction)

画像処理

上司:「次の処理は何をするんやったけ?」
私 :「・・・これやったかな・・・これかな・・・」
上司:「この前教えたのに覚えてないの」
私 :「はい。すみません。」

ということで画像処理の流れを記録しておこうと思います。「プリズムブレイク」を見ていたせいで勉強がおろそかになっていました。1週間に一回ぐらいしか、CT業務を行わないため、メモを残しておかないと忘れるのは当然ですね。

①撮像したCT画像の範囲を選択する。上は大腸が入るところまで。下は直腸のエアがなくなったところまで。仰臥位と腹臥位で同じことをして、解析を進める。

②大腸のエアを選択ができているかを確認する。小腸が選択されていたら、もちろん除外する。拡張が不十分なところでも空気が小さくでも選択しておく。蠕動などによる大腸のアーチファクトの部分は選択しなくてよい(アーチファクトで大腸の評価もどうせできないから)。

③経路の生成。経路の候補を全て表示させる。直腸と回盲部を一番端に持っていく。仰臥位と腹臥位でだいたい同じ経路を通るようにする。その他は経路の候補が大腸の真ん中に近いものを選んでおく。もし、まったくの拡張不良で仰臥位と腹臥位で大きく経路の長さが違う場合、MPRを参考にして、拡張不良部分の経路を自分で作成する。

④仰臥位と腹臥位のVE画像を同時に見て、同じ場所を進んでいるかの確認を行う。肝湾曲や脾湾曲などの節目に番号を入れて同じ位置になるようにする。この時、展開像のヒダの様子を仰臥位と腹臥位で見比べると、数字の位置を微調整すると精度が増す。

⑤病変を広い上げる。VEで仰臥位の順方向、逆方向で大腸を観察する。仰臥位が終われば、同じことを腹臥位で行う。VEで観察していき、気になったものが見つけたら、止める。そして、VE+MPRで確認する。大腸の外に出ていたら、憩室だと判断して、チェックせずにスルー。大腸に中にあったら、チェックしておく。もちろん、液面の上の泡など明らかに病変でないものはチェックしない。VEを魚眼レンズモードにしても、観察しやすいかもしれない。

⑥拾い上げた病変を仰臥位と腹臥位の画像で再度確認する。カメラの向きを連動させる。拡張不足でもないのに、仰臥位に病変があって、腹臥位になければ、体位変換によって、移動した残渣で可能性が高い。逆にどちら体位でも隆起したものがあれば、病変である可能性が高く、チェックを削除せずにおいておく。この時に④で行った位置合わせをしておくと、より読影しやすくなる。

⑦全ての画像を1倍にして、正面(Aにして)にして、展開図は左半分黒に整えて、VEを初めの位置にして編集画面を保存する。鍵マークで誤って削除されないようにする。



検査説明の例【一覧】

「お腹を膨らませて、CTの撮影を行います。腸の方にガスを送るので、検査中はオナラがしたくなります。ただ、オナラをしてしまうと膨らませた腸がしぼんでしまいますので、検査中はオナラを我慢するようにお願いします。」
「お腹を膨らませて、CTの撮影を行います。検査で重要になってくるのはオナラを我慢することになります。オナラをすると膨らませた大腸が縮んでしまいますので、お願いします。
「今から、検査の準備をしていきますので、向こう向き真横(左側臥位)で寝てください。」
「お尻に柔らかいチューブを入れます。力は抜いててください。」
「では、今からガスを入れていきますね。」
「お腹のほうが張ってきていると思います・・・、(0.5Lぐらいの注入で聞く。おそらく、張っていると答える)そうですね。順調に検査は進んでいます。もし、ものすごくお腹が痛いとかありましたら、教えてください。」
「お腹に吸収されやすい、炭酸ガスを使っています。ガスの方はもう出してもらって大丈夫です。」

一問一答

参考
CT colonography による大腸がん検診の可能性