Pythonで歩値チャートをじっくり観察

成行注文と株価の「本当の関係」を探ってみた【6276 シリウスビジョン】

今回は、動画#70の内容をベースに、
「歩値(あゆみね)データをグラフ化して、実際にどんな場面で株価が動くのか?」
を、ひたすら観察してみた記録になります。

歩値の経時的な表だけ見ていると分かりづらい、
・なりゆき買い/売りがどこで集中しているのか
・大量の出来高が入ったあと、株価が実際にどう動いたのか

こういった“板と出来高の裏側”を、少しでも言語化してお伝えできればと思います。

今回の検証条件

今回、歩値データを表示させた銘柄は、

  • 6276 シリウスビジョン
  • 検証日:11月5日(ほかの日のデータもありますが、今回はこの日にフォーカス)
  • 歩値データ数:約17,000件

さすがに17,000件を一気にグラフ化すると、

  • 表示に時間がかかる
  • 拡大・縮小のたびにPCが固まりそうになる
  • そもそも細かすぎて何が起きているか見えない

といった問題が出てきました。

そこで今回は「500件ずつ」に分割してグラフを表示する形にしています。
Matplotlib側の設定でズームもできるようにしていますが、分割しておくことで
“拡大操作のたびにPCが考え込む問題”もなくなりました。

歩値グラフの色分けルール

グラフの色は、以下のようにシンプルに分けています。

  • 赤色:なりゆき買いが入って出来高が発生したポイント
  • 青色:なりゆき売りが入って出来高が発生したポイント
  • 緑色:株価(価格)の推移
  • 横軸:時間(この日は9時台からスタート)

出来高は値の幅が大きく、普通にプロットすると
「ちょっと大きい出来高があるだけで、他が全部つぶれて見える」
みたいな状態になってしまいます。

そこで今回は、出来高に対して「対数(log)」を取ったうえで、
その値からさらに 2 を引いて表示するようにしました。

  • 例:出来高が100なら log10(100)=2 → 2−2=0(グラフ上では“底”)
  • もっと大きな出来高だけが、グラフの上の方にピョコンと飛び出す

こうすることで、「どこで“異常に大きい”注文が入ったか」が
一目で分かるようになります。

大量の“なりゆき売り”が出ているのに、株価が下がらない場所

まず、面白いと感じたのがこちらのパターンです。

「株価が大きく下落している“はず”なのに、あるラインから下に全然落ちていかない」

歩値グラフで見ると、

  • 青い棒(なりゆき売り)が連続して出ている
  • にもかかわらず、緑の株価ラインがその価格帯で踏みとどまっている

という場面が何度か出てきました。

これって裏側で何が起きているかというと、

  • その価格帯に分厚い買い板(差し値買い)が並んでいる
  • 個人投資家のなりゆき売りを、機関投資家などが淡々と“受け止めている”

という状態に見えます。

つまり、

「大量のなりゆき売りが出ているのに、株価がほとんど下がらない場所」

は、その銘柄にとって“反発候補”になりやすい価格帯なんじゃないか、
という仮説が立てられます。

もちろん、結果論になってしまう場面もありますが、

  • 大量の青(なりゆき売り)
  • でも価格はヨコヨコ、もしくは少しずつ切り上げ

という組み合わせは、「買い検討ゾーン」として
今後も注目していきたいポイントだと感じました。

逆に「なりゆき買い」が多いのに、株価が下がり続けるパターン

もう一つ、はっきりと分かりやすかったのが“逆パターン”です。

  • 赤い棒(なりゆき買い)がかなり目立っている
  • それなのに、株価はジリジリと下がっている

こういう場面では、おそらく

  • その価格帯に分厚い売り板(差し値売り)がずっと出続けている
  • 個人投資家のなりゆき買いを、上からひたすらぶつけている

という力関係になっていると考えられます。

感覚的には、

「みんな買ってるのに、なぜか上がらない銘柄」

は、こういう歩値になっていることが多そうです。

こういうチャートを見てしまうと、

  • たくさん買いが入っているから安心
  • そろそろ上がりそう

と安易に飛びつくと、
分厚い売り板にぶつけられてそのまま下げトレンドに巻き込まれる
…というパターンになりかねません。

トレンドの中での「揉み合いゾーン」は、無理に手を出さない

今回のシリウスビジョンでも、

  • 株価が大きく上昇している最中に
  • 一旦、横ばい(揉み合い)になる時間帯

がありました。

その局面の歩値を見ると、

  • 青(なりゆき売り)もそれなりに出ている
  • でも株価は、上にも下にも大きく動かない

という“判断が難しいゾーン”になっていました。

ここについては、現時点では

「上に行くか下に行くか、正直分からないので、
無理に手を出さないほうが良さそう」

という結論にしています。

むしろ、

  • しっかりと下がっているタイミングで、
  • 大量のなりゆき売りが出ているにもかかわらず、
    株価が“それ以上”下がらなくなったところ

このような “売りを吸収しているように見えるポイント” のほうが、
エントリー候補としては素直だと感じました。

まとめ:歩値グラフは「反発ポイント探し」のヒントになりそう

今回、6276 シリウスビジョンの歩値を17,000件分グラフ化して、
ひたすら眺めてみて分かったことをまとめると、こんな感じです。

  • 大量のなりゆき売り(青)が出ているのに株価が下がらない →
    強い買い板が控えている“反発候補ゾーン”
  • 大量のなりゆき買い(赤)が出ているのに株価が下がっていく →
    分厚い売り板に押し返されている“危険ゾーン”
  • 上昇トレンド中の揉み合いゾーンは、
    上か下かの判断がつきづらいので、現時点では“見送り”が無難

まだまだ仮説レベルではありますが、
ローソク足だけでは見えなかった「注文の圧力」と「価格の粘り」が、
歩値グラフを通して少しずつ見えてきた気がします。

今後は、

  • こういった“反発候補ゾーン”を条件に組み込んだ自動売買ロジック
  • 他の銘柄や日付でも同じ傾向が出るかの検証

などにも発展させていきたいと思っています。

もしこの記事や動画を見て、
「ここも面白いポイントじゃない?」という気づきがあれば、
コメントなどで教えていただけると、とても嬉しいです。#歩値
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大量なりゆき注文の正体は?歩値グラフで読む反発ポイント【6276シリウスビジョン×Python検証】
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