今回は、前回のリサンプリング手法を用いたトレード戦略の検証について、もう少し掘り下げてお話ししたいと思います。
〇株価分析で効果的なリサンプリング手法の解説と戦略
シミュレーションの結果が予想以上に良かったので、「もしかしてこの手法で自動売買を完成させられるんじゃないか」と期待が膨らみました。
でも、ここで重要なのは「そのシミュレーション結果が本当に実践可能かどうか」です。
私自身、トレードを考えるときはいつもシミュレーション結果の妥当性を確認するようにしています。
今回は、その検証のプロセスと得られた気づきについて共有します。
利益率51%、この数字をどう見るか?
今回のシミュレーションは500営業日分を対象に行いました。
結果をざっくりまとめると、以下のようになりました。
利益総額: 2400万円
損失総額: 1100万円
利益率: 51%
利益率が51%というと、「3回に2回は勝てる」という計算になります。
トレード戦略としてはかなり良い結果ですよね。
これだけ聞くと「このまま実際に自動売買に移行できるのでは?」と思ってしまいます。
でも、ここで立ち止まらないのがトレーダーとしての大事なところです。シミュレーション結果が良いからといって、そのまま実践で同じ成果が出るとは限りません。
そこで、個別銘柄を具体的に検証してみました。
まずは、シミュレーションの中で取引が成功した銘柄をいくつかピックアップしました。その中で目立った2つの例をご紹介します。
銘柄例1: 2321
この銘柄は、11月22日に購入し、11月29日に売却したというシミュレーション結果が出ました。実際の株価チャートを見ると、購入後にストップ高が発生しており、利益が出ている計算になります。一見すると収益が小さいように見えるのですが、ストップ高が効いているため、シミュレーション上はしっかりと利益が出ています。
結果として成功した例ですが、こうした特殊な動きがあった場合、本当にトレードが可能だったのかという視点で検証する必要があります。
銘柄例2: 4583
次に取り上げたのがこの銘柄。11月21日に購入した結果が出ていましたが、購入日はストップ高の状況でした。ここで問題となるのは、「ストップ高で本当に購入できるのか?」という点です。シミュレーションでは購入したとみなしていますが、実際には難しい場面です。
こうした不自然な取引が紛れ込むことで、シミュレーション結果が実際のトレードと乖離してしまうケースがあります。
シミュレーションで注意すべきポイント
こうして個別の取引を見ていくと、シミュレーション結果をそのまま鵜呑みにするのは危険だと改めて感じます。今回気づいた注意点をいくつか挙げてみます。
現実性の確認: 実際にトレード可能だったかを、個別銘柄の動きから検証する。
想定外の条件: ストップ高や極端な低流動性など、現実には難しい状況が含まれていないかをチェックする。
全体と個別の両面から評価: シミュレーション全体の利益率だけでなく、個別ケースを丁寧に見直す。
これらの視点を持つことで、シミュレーションの精度を高められると思います。
次のステップに向けて
今回の検証を通じて、シミュレーションを行う際には「結果をそのまま信じない」ことの重要性を改めて実感しました。
利益率51%という結果に飛びつくのではなく、丁寧に精査することで、より現実的で信頼性の高いトレード戦略を作れるはずです。
次回は、さらに精度の高いシミュレーション方法や、実際のトレードで再現性を高めるためのアプローチについて考えていきたいと思います。
これからもこんな感じで、自分なりのトレードアイデアを発信していきますので、どうぞよろしくお願いします!
*以下の動画で解説していますが、動画編集が慣れていなくて途中で音量が変わったり、はじめから2.5倍速になっています。どうかご容赦ください。